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Vol.14 - 2
2006/12/15発行

 琉大医学部に入学して  

毛利 康一(1年次)
 
 沖縄の海がようやく肌寒く感じる季節になりました。同窓会の先輩方々、はじめまして。医学科一年年次長の毛利康一と申します。今回は私たち一年生の近況報告をさせていただきたいと思います。
 琉球大学に入学して早いもので半年がたちました。大学生活にもようやく慣れ、今は一般教養の授業を受けて忙しい毎日を送っています。授業は大変ですが、将来医師になるという目標をもって勉学に励んでいます。うそです。少なくとも私は、つい先日まで授業に対するモチベーションが上がりませんでした。医師になるために医学部に入学したのに医学に直結した講義がほとんどないからです。周囲の友人たちも、「授業は面倒くさい」「出席がだるい」「医学の講義を受けたい」という声をよく聞きます。
 実際、私たち一年生が医学を学ぶことが出来るのは、週一回の医学概論という講義のみです。この講義は体のしくみや医学・医療の一端を紹介するという形で進められており、大変刺激的です。併せて、講義の一環として救急車同乗実習があります。そして私も先日、この実習を体験してきました。
 私はこの実習を通じて、目が覚めました。入学した当時の熱意や向上心を思い出すとともに、中途半端な意識で医療に臨もうとしていた自分を恥じました。
 というのも、実習中搬送した患者さんの中に心肺停止に陥った方がいました。大変ショッキングかつ貴重な経験を通じて、医療の現場がいかに厳しいものであるかを垣間見ることが出来ました。さらに、自分自身を振り返ってみて、自分が将来医師になる人間として果たしてふさわしいのか、将来医師という立場に立つにふさわしい努力をしているだろうか、という自省の念を激しく感じたのです。上で述べたように、中途半端な気持ちで大学に通っていたことを恥ずかしく思いました。
 私の恩師はいつも「一事が万事」という言葉を常日頃から口にしていました。その精神を実践した結果、私は大学に合格できたわけですが、最近忘れていたこの言葉を救急車実習が思い出させてくれました。今は授業に対するやる気も高い、つもりです。今回は私個人の経験を述べさせてもらいましたが、救急車実習を通して意識が変わった人が数多くいるものだと願っています。
 一年生のみんなにも私の言葉が届いているだろうか?「一事が万事」って素晴らしい言葉だと思わないかい?教養の講義はつまらないけど、一緒にがんばろう!